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2006年08月22日

●カジノに流れる音楽… Las Vegas Sunから

Las Vegas Sun の記事から

 

 長髪とマリファナを思い起こさせる、よく知られたギターの弦の響き。スロットマシンの列の中を歩き、ヤングブラッズが「みんなおいでよ、兄弟に微笑むんだ」 と思い入れをこめて歌うのを聞く。コミューン音楽、行進曲、ラップ、自由愛、兄弟愛、全てを、ディンディンと鳴る音や「ホイール・ オブ・フォーチュン」と叫ぶスロットマシンのバックグラウンドミュージック考えている。

 

何なんだ!誰が選曲してるんだ。

 

 これらが、年間数百万ドル売り上げる業界が「オーラル・アーキテクチャー(聴覚組織)」と「オーディオ・ブランド・ イメージング(音楽によるブランドイメージ化)」について誰も尋ねて欲しくないと望んでいる疑問である。 「人々は音楽を聴くと思われているが、それに注意を払わない」とレッド・ロック・リゾートで音楽プログラムを作っているジョエル・ オルティアンは言う。

 

 「我々は、人々が音楽に気づき、"なぜ音楽が流れているのか"考えて欲しくない」とオルティアンはEメールで述べている。 「つま先や指で調子をとり、微笑み、口ずさむ。それが我々が望んでいる音楽に対する反応の仕方だ。」

 

 人々をカジノにとどめギャンブルをさせ続けるため、涼しさ、酸素が添加された空気、 一定の照明、時計が無いこと、そして音楽が存在するのだ。

 

 60年代の音楽がストリップ鉱山を採掘し、カジノピットでシアン化物を濾過する。なぜなら、それこそが音楽的金本位制だからだ。 「ほとんどのカジノのほとんどのエリアが一つの世代だけに迎合しているわけではない」 と大手音楽供給業者DMXミュージックで働くリーン・フラスクは言う。

 

 「最近の子供達はローリング・ストーンズを知っており、60代の人たちももちろんローリング・ストーンズを知っている。 人々によく知られていて、ここちよい歌こそが、人々をカジノに居残らせる最大のものである。 これに対して、突然中米の民族音楽が演奏されたら、立ち去ってしまうだろう。あまりにこむずかしく(ハイブロー)もなく、 といってカントリーミュージックのように、田舎っぽくもないようにしなければならない。 さもないと主流の人たちを追い出してしまうことになるからだ。

 

 

 ここでは、フラスクは仮定の穏健なカジノについて話している。近所のバーや座って食べるバーガー屋の音楽ではないのだ。 ここでの様式は、クラシックなロックとソウル、80年代と90年代のトップ40のヒット曲によって満たされる。

 しかし、カジノや特にメガリゾートは、望む客達を惹きつけ、 好ましからざる客たちを排除するためデザインされた音楽やプレイリストを持っているようである。

 

 敷地内にフェラーリの販売店はあるような場所であるウィンではレイナード・スカイナード音楽はこんなの)もスヌープ・ドッグのような曲を耳にすることはない。その代わりに、 オペラが流れる。きれいな表現をつかうなら、リッチ層に合わせているのだ。

 パリス・ラスベガスでは、エディット・ピアフアストラッド・ ジルベルトのような音楽を好む傾向がある。そして、ストリップの下の方など。しかし、特注(カスタマイズ) されたカジノにおいてさえ、聴衆にあまりに多くを押し付けようとはしていない。全ての収入レベルの人たちではないかもしれないが、 全ての世代の人たちが心地よく感じるようにすべきである。

 

 カジノではなく、服の専門店などはより狭い客層を狙う傾向にある。アバクロンビー&フィッチhttp://www.abercrombie.com/anf/index.htmlなどは自らを定義している (音楽的なことであって、プレッピーな服やきわどい広告についての話ではない)。うるさく、エネルギッシュなダンス音楽によって、 ポップやR&Bそのほか残り全ての音楽を切り分ける他の競争相手と一線を画している。カジノは、 スーパーマケットにより似ている。味の違いはあるが、全ての人が食べなければならない。 あるいは賭けなければならない。

 

 レッド・ロックにおいては、オルティアンが言うには、 彼のカジノの演奏リストは"陽気でクールでヒップな雰囲気"のためちょっとだけ先進的にしてあるそうである。 (音楽は、カジノのレストラン、スパ、そして他の"ZONES"では異なっている。)音楽的には、グエン・ステファニーU2ゴールドフラップだと彼は言う。彼は、 「すべてのジャンルの音楽の歌詞に敏感である」と言う。それは、「力強いメッセージ」 を持つどのような音楽に対しても感心をもっているということを意味する。

 

 

 しかし、カジノはスーパーマーケットと全く同じというわけではない。確かに、 ギャンブルエリアもそうではあるが、現代のメガ・リゾートは考慮をはらわなければならないより多くの場所を持っている。 プールはレゲエによって生命を吹き込まれるかもしれないが、イタリアン・レストランはフランク・アンド・ディノに口ずさむだろうし、 今のヒップクラブも顧客の傾向、目的とする恍惚感、ダンスあるいはラップに依存することとなる。

 

 MGMグランドにおいては、ギャンブルエリアの音楽は全てのひとの傾向よりもよりクラシックである。他のカジノとは異なり、 MGMはDMXのような会社を雇わずに自らがその音楽を制御している。MGMのサウンド・マネージャーであるジョン・テイラーは、 28の異なったエリアとiTuneのプレイリストを事務所のコンピューターからコントロールしている。メインカジノのリストには、 1万2321曲が含まれ、その多くが古典的なロック&ソウルとトップ40の音楽である。その中には、何曲かのビートルズナンバー( "Can't Buy Me Love," "I Am the Walrus" "Revolution.") もリストアップされている。


 少なくとも、ジョン・レノンの"Imagine"はそのリストには含まれていない。 それはテイラーが誰かの感覚に不快な思いをさせないようにしているためではない。「どうしてプレイリストに入っていないのかわからない。 」と彼は言う。

 しかし、カジノにおいて平和と理想主義と寛容の聖歌?ちょっと場違いなんじゃないか?ギャンブラーに"物欲を捨てよ" (imagine no possessions)というのが必要か?(やってみたいなら、簡単だけど。)

 「へー」テイラーは言う。「そんなふうに考えたこともなかった。」

 

 カジノに流れる曲は何気に聴いておりますが、カジノ側にはこういう戦略があったんですね。 担当者の好みで適当に選曲しているのかと思っておりました(笑)

 

 VPプレイヤーの私にとっては、流れる音楽あるいはバンド演奏のリズムに合わせて選択・ディールボタンを押すという状況は、 非常に調子が良い場合です。調子が悪いときは、どんな音楽が流れているかさえ認識できません(笑)

 ここの記事にあるように、音楽に合わせてつま先や指先でリズムを取りながらゲームをしている時間は、非常に心地よい時間です。